2017年01月08日

代替わり

菜楽のサイトの方では既に書いているのでお気付きの方もいらっしゃると思いますが、今まで父が経営してきた実家の農業を引き継ぎ、今年から私が経営者となりました。
私が就農したのが2013年の9月ですから、それから3年と少し…。
まだまだ農業者として未熟ですが、周りの助けを借りながら、できることからやっていこうと思います。

そもそも私が会社を辞めて農業を始めたことにはいくつもの理由やきっかけがありましたが、そのうちの1つが実家の農業を引き継ぐ、ということでした。
それは単に長男だから家業を継ぐ、ということだけではなく。

一つには日本の農家の高齢化と後継者不足の問題があったからです。
実家の近所でもそうですが、農家に後継者がいない。
現役の農家は高齢化が進んでいて、平均年齢は70歳に近づいています。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html

あと10年、20年が経ち、今の農家の多くが仕事を継続できなくなったとき、どうなるか。
国全体が高齢化すれば需要が減るかもしれないし、大きな産地ではある程度の後継者がいると思うので、需要と供給のバランスがどれくらい変わるかは未知数ですが、結構厳しいんじゃないでしょうか。
生産規模の拡大も政策として取り組まれていますが、日本の地形からすると限界があるような。
新規で就農される方もいらっしゃいますが、土地も農業経験もない状態から新規で参入するのは、正直言ってかなりハードルが高いと思います(それでも成功される方は尊敬します。本当に。)。
やはり、農家で生まれ育った私みたいな者が農家を継いだ方が、効率が良いんじゃないかと思うわけです。

もう一つが、農業技術や農地、優良な品種の継承の問題です。
農業技術ってある程度は標準化されている部分もありますが、それぞれの土地や地域で気象や地質、地形などの条件が大きく異なるので、どこでも同じやり方でうまくいくものではありません。
長い経験に裏打ちされた、それぞれの土地に合わせた技術や工夫が必要になります。
農地も、一朝一夕で肥沃な土壌になるわけではありません。
それぞれの土地で育まれた優良な品種も、簡単に生まれたものではないでしょう。
それぞれの土地に適合した優れた農業技術や肥沃な農地や優良な品種は、なかなかに得難い財産だと思います。
農業に限らず何でもそうですが、どんなに優れた技術であっても、これを継承する人がいなければそこで失われてしまいます。
品種についても、一度失われれば二度と同じものはできません。
継続的に技術を向上させていくためには、これらのものをきちんと受け継ぎ、さらに発展させて次に繋げていくことが必要になります。
農業を継ぐ、ということには、そんな意味もあるのだと思います。

もっとも、農業を継いで満足、というわけではなく、食と農をより楽しく、豊かで魅力的なものにすることが私の目的であり、経営の軸となる理念であることは以前にも書いたとおりです。
そうすることで、農業の魅力が増し、後継者が増えることも願ってはいるのですが。
posted by airpotato at 20:39| Comment(2) | その他
この記事へのコメント
代表ご就任おめでとうございます。

私の独立就農が2013年8月なのでほぼほぼ同時期に就農していたのだね。

既存のしくみが時代にあわなくなり、誰のためなのかよくわからないまま、ルールチェンジがどんどん進んでいきます。
しかしながら土のなかで起きていることは変わりゃしないわけで、結局ちゃんとつくれる人が残るのだろうなぁ、そういう業界であってほしいなぁ、と思っています。

貴殿におかれましては、市場がどうあれ社会がどうあれちゃんとつくれる農業はちゃんともうかるよ、ということを証明していただくことを期待します。
私はとりあえず葛根湯のんで風邪をなおします。期待してて下さい。
Posted by ばんの at 2017年01月09日 22:47
ばんのさん、コメントありがとうございます。

お申し越しの件、肝に銘じておきます。

現実の問題として作るより売る方が難しい、なんてことも多いので、農産物を買う人・食べる人にどんな価値を提供できるのかということをイメージして品種の選定や栽培方法の検討をするようにしています。
そしてそのイメージどおりのものを作ることが、「ちゃんと」野菜を作るということなのかなぁ、と思います。

ばんのさんもいろいろと大変なこととは思いますが、既存の農業の枠にはまらない斬新な発想をもって、新たな地平を切り拓いて行かれることを期待しています。
Posted by airpotato at 2017年01月10日 00:07
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